ゆり⇔ふた

「にあうよ、セーラー服」
「本当、うれしい」



かなことますみは今日から中学生だ。
初めて着るセーラー服。
「な、なんかもう小学生じゃないんだね、私たち」
「うん、あの時はセーラー服着てみたいって思うけど、
何か実際にきてしまうと、ちょっとランドセル背負ってまた学校にいきたい。
って気分になるのはなんでだろうね」



「う、うん、でもこれで私たち中学生よ」
「うん、中学生になったらね、秘密のクラブ活動があるんだって」
「クラブ活動？」
「女の子限定の、憧れの先輩に対して文通をするペンクラブってのがあってね、
それに実際に手紙を送ると、本当に先輩がやってくるんだって」

「な、なにそれ」



「さあ、でもきっかけは自分の好きな人が同性で、まさか付き合うことはできない。
友達どまりで恋愛の対象にはならない。
だから文通を通して自分の気持ちをぶつけて結ばれようとしたんだって」
「うん、うん、それで」
「だから、一緒にそのクラブに入ろ、かなこ」
「え、いいけれど」

かなこは少しばかり不安を覚えたのだった。
ますみちゃんに彼氏ができたのではないかと、疑ったのだった。
実際は彼女だったが……。





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